杭抜き工事とは
一般に既存杭の引き抜き工事では、削孔にケーシングが使用されます。
既存杭の杭頭にケーシングをかぶせて削孔し、地盤と既存杭との「縁切り」を行います。
その後、杭をどのように引き抜くかで、工法は大きく下記の2つに分かれます。
輪投げ工法
ケーシングを引き上げ、杭にワイヤーをかけて引き抜きます。
同時に杭孔の上部から充填材を注入して埋め戻しをします。
1.ケーシング削孔で地盤と縁切り
2.杭にワイヤーをかけて引き抜く
3.引抜きと埋戻し
【メリット】
大口径杭や重量杭にも対応可能な工法です。
【デメリット】
もともとあった杭が中で折れている、破損やジョイント不良等、不健全な杭の地中残置が発生します。
引抜き孔への充填が不良となることも多いです。
チャッキング工法
ケーシングに内蔵された爪で、杭の先端部を抱え込み、杭本体をケーシングの中に入れたまま、ケーシングごと引き抜きます。
そのさいに、ケーシング先端から充填材を吐出して、杭孔の最深部から埋戻しをします。
1.ケーシング削孔で地盤と縁切り
2.ケーシングの爪で杭の先端部をチャッキング
3.ケーシング先端から充填材を
吐出しながら引き上げる
【メリット】
中折れ・破損・ジョイント不良などの不健全な杭でも撤去できます。
先端根固め部など杭周辺の築造物も撤去できます。
注入管理を行えば杭穴最深部から確実な充填ができます。
【デメリット】
大口径杭や重量杭の引き上げに限界があります。